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    NettyLandは「地球・子ども・学校をむすぶwebサイト」。子どもの未来にとって最良の出会いがあることを願い、日本全国の中高一貫校の情報を発信しています。

2011年1月17日 (月)

[高校スポーツの“冬の祭典”に、私学の有力校が続々と名乗りをあげる!]バスケットボール男子は京北と国学院久我山が、ラグビーは本郷と国学院久我山が冬の全国大会へ

冬の祭典が高校スポーツの世界にもある。なかでも、例年12月末から1月10日頃にかけて行われる「全国高等学校サッカー選手権大会」や、「全国高校ラグビーフットボール大会」、12月末の1週間を使って開催される「全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会(ウィンターカップ)」などがよく知られている。

それぞれの種目に打ち込む高校生から、通称「選手権(国立)」と呼ばれるサッカーの大会や、通称「花園」と呼ばれるラグビーの大会は、年末からお正月にかけてテレビ放映も行われるので、試合を目にしたことがある方もいることだろう。今年も9月から11月にかけて、これらの種目の都道府県予選が行われ、それぞれの晴れ舞台をめざす高校生チームが、代表権をかけてしのぎを削った。

サッカーの東京都大会では、Aブロックの決勝で、帝京高が駒澤大学高に0対1で、Bブロックの決勝で国学院大学久我山高が都立駒場高にやはり0対1で惜しくも破れ、私立中高一貫校の全校大会出場はならなかった。

しかし、ラグビーの東京都大会では、第一地区の決勝で本郷高が目黒学院高を37対5で、第二地区の決勝で国学院大学久我山高が東京高を31対14で破って、東京都の代表権を勝ち取った。

やはりラグビーの神奈川県大会では、第一地区の決勝で慶應義塾高が東海大相模高を41対7で、第二地区の決勝で桐蔭学園高が湘南工科大高を50対0という大差で破り、神奈川県の代表として名乗りをあげている。

茨城県大会決勝では、常総学院高が名門・茗渓学園高に20対19の僅差で競り勝ち、20年ぶり2回目の出場権を勝ち取った。

バスケットボールの東京都の男子代表決定戦では、京北高が優勝、国学院大学久我山高が準優勝となり、すでに夏のインターハイを制して出場権を手にしていた八王子高に続き、ウィンターカップへの出場権を獲得した。早稲田実業高は第3位、世田谷学園高は第4位で、惜しくも出場を逃している。

同じくバスケットボールの東京都の女子代表決定戦では、東京成徳大学高が優勝、駒澤大学高が準優勝となり、ウィンターカップへの出場権を獲得。藤村女子高は第3位、文化女子大杉並高は第4位で、出場まであと一歩だった。

ラグビーと同様に、これらの私立中高一貫校の全国的な舞台での活躍が楽しみだが、なかでも東京成徳大学高の女子バスケット部は、ほぼ毎年、全国制覇をかけての決勝を、宿敵・桜花学園高と連続して競い続けている強豪校。レギュラーメンバーのなかには、東京成徳大学中学から活躍してきた中高一貫生も多いと聞く。

そういえば、男子のインターハイを制した八王子高も、現5年生が入試に挑む2012年からは、新たに中学を開設する予定だ。

こうした高校生のスポーツの“冬の祭典”における私立中高一貫校の活躍が、入試を直前に控えた中学受験生にとっても、何らかの励みとなれば嬉しいし、なかには身近な私学のハイレベルの大会での奮戦ぶりに、勇気をもらう受験生もいるに違いない。

そうした勇気や感動を、観るものにも感じさせるのが、スポーツの大きな魅力だ。そして、そういうレベルで活躍できる力を育む私学の校風を、学校見学の際に感じとることを、保護者も意識してみてはどうだろうか。

【初出:NettyLandかわら版2010年12月号】
(北 一成

Sports02_32008年の9月から人工芝に生まれ変わった本郷のグラウンド。 

P22hongo01_3▲東京都大会の第一地区の決勝で、目黒学院高を破って花園大会への出場を決めた本郷高(横縞のユニフォーム)。

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▲本郷高ラグビー部で活躍するメンバーも、最近では中高一貫生が中心になっているという。

2010年11月15日 (月)

[教室を飛び出して「私学の授業やクラブ」を体験してみよう!]11月21日(日)「私学体験フォーラム」で小学生がチャレンジできるスポーツの講座

授業の体験を通して、私学の先生方と出会えるユニークな場「私学体験フォーラム」が、今年も11月21日(日)に麴町学園女子中高で開催される。

「こういう先生に教わりたい」という生徒の思いと、「こういう生徒を育ててみたい」という教師の思いが重なることで、そこには濃密な“学びの関係”が生まれる。それこそが私学教育の中軸や、私学の存在意義を形作るものだろう。

ただし私学の中高6年間一貫教育のエッセンスは、授業だけに限られるわけではない。課外活動や校外学習、クラブ活動など、あらゆる学校生活の場面に、“学びと体験”の要素が含まれている。

この「私学体験フォーラム」は、従来行われてきた「体験授業イベント」とは少し違う。それは、会場である麴町学園女子中・高の校内すべての施設やスペースを“学びのフィールド”とした“知的体験の場”というスタイルだ。

開講される講座のなかには、体育館や中庭、広いスタジオ、プールなどを使った「スポーツの体験」ができるプログラムもある。

小学生にとっての“学びや知的体験のフィールド”は、教室に限られないという発想で企画された、このイベントならではの講座(プログラム)なのだ。

たとえば、昨年も開講された「親子でフライングディスク」(中村)では、体育館と中庭を使って、中村中学・高校の授業にも取り入れられているフライングディスク(フリスビー)の簡単なゲームを、親子で一緒に体験できる。同じく昨年も開講された「水中リズムダンス」(麴町学園女子)の講座では、温水プールでリズミカルなダンスを小学生が楽しく体験。ともに人気の講座となり「楽しかった」という事後の感想が多く聞かれた。

このほか昨年は、「ダンスマニア45~Let's DANCE~」(かえつ有明)なども人気の講座に。在校生ダンス部員のアシストもあり、初めての小学生も、本格的なダンス体験にチャレンジした。

今年の講座には、昨年に引き続き行われる「親子でフライングディスク」や「水中リズムダンス」のほかにも、そうした「スポーツを体験できる」講座がある。

まず、「バスケにふれよう」、「テニスにふれよう」(ともに京華)の講座では、体育館を使って、小学生にもできるバスケットボールやテニスの体験ができる。男子校らしいこの講座では、京華中高の先生やバスケット部員、テニス部員の在校生と一緒に、思い切り身体を動かしてみてほしい。

また、「新聞紙を使った創作ダンス」(国学院大学久我山)の講座は、どのようなプログラムなのか当日に期待だ。今回のダンスは、きっと小学生にも楽しめる、親しみやすい内容だろう。

続いて「Let's go cheer~一緒にCheer Leaderになりましょう~」(成立学園)では、今春2010年に中学を開校し、今回から初参加となる同校が、中高一貫体制のスタートにあたり導入した、独自の「オールスポーツ部」で新中学1年生が実際に経験した「チアリーダー体験」ができる。

そのほか、これは「体育」や「クラブ」の講座ではないが、スカイスタジオを使っての、理科「飛ばそう!ブーメラン~しくみと製作~」(佼成学園)や、普通教室で回転椅子を使って行う、理科「野球上達法」(芝浦工業大学)といった講座なども、スポーツと関連する要素がある。

小学生が楽しく取り組める“学びのフィールド”は、スポーツの世界にも広がっている。それを「私学体験フォーラム」で実感してみてほしい。

【初出:NettyLandかわら版2010年11月号】
(北 一成)

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▲成立学園中学校のオールスポーツ部では、新入生が実際にチアリーディング活動を体験した!

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▲京華中学校のテニスとバスケットの講座では、在校生部員がサポートしてくれる予定だ。

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▲麴町学園女子の地下温水プールは自慢の施設。更衣室にはドライヤーも完備。

2010年10月21日 (木)

[柔道の父・嘉納治五郎が残した「道」を伝える言葉]世界柔道選手権大会のメダルに見た灘中高の校是「精力善用 自他共栄」!

柔道の2010年「世界選手権大会」が、今年は東京の国立代々木競技場第一体育館で9月9日~13日にかけて開催された。柔道の世界選手権大会が東京で開催されるのは、1958(昭和33)年の第2回大会以来、実に52年ぶりのことだったという。

柔道の父といわれる嘉納治五郎が、明治15年に東京・下谷で起こした講道館柔道。1956(昭和31)年に、東京・蔵前国技館で「第1回世界柔道選手権大会」が開催された後、世界で行われてきた大会が、柔道の発祥地である日本に再び戻ってきたことになる。

5日間かけて行われたこの大会期間中に、日本代表選手団は、10個の金メダル、4個の銀メダル、9個の銅メダルという、合計23個のメダルを獲得。近年では最も好調な戦績を残したことは、テレビ放映などで度々伝えられた。世界選手権大会通算「100個目の金メダル」も57キロ級の松本薫選手が獲得した。

そういえば、日本代表選手が最も多くを獲得した、今回の大会のメダルには、生誕150年を記念した嘉納治五郎の姿と、彼の教えである「精力善用 自他共栄」の文字が彫られていた。

柔道に関わってきた人ならばともかく、一般にはあまり馴染みのないこの言葉だが、実は、神戸の灘中学・高等学校の校是でもあった。同校のWebサイトで「沿革」を見てみると、「当時東京高等師範学校(現筑波大学)校長兼講道館館長であった嘉納治五郎先生を顧問に迎えて尽力いただき、校是にも柔道の精神『精力善用』『自他共栄』を採り翌3年に開校の運びとなりました」とある。

嘉納治五郎は、当初いくつかの流派の柔術を学び、それぞれ奥義に達したが、他の流派にも興味をもち、研究に打ち込み、諸流のよさをとりいれ、さらに自らの創意と工夫を加えた技術体系を確立。

理論面でも柔術の「柔よく剛を制す」の柔の理から「心身の力を最も有効に使用する」原理へと発展させ、新しい時代にふさわしい技術と理論を組み立てたという。

この原理を「精力善用」の標語で示し、これこそ柔道技術に一貫する原理であるとともに、社会生活すべてにおいても欠くことのできない重要な原理であることを明らかにしたとされている。

そして、この原理を実生活に生かすことによって、人間と社会の進歩と発展に貢献すること、すなわち「自他共栄」をその修行目的としなければならないと教えた。

自らが掲げた、自己完成をめざす柔の「道」。術から道へと名をあらため、その道を講ずるところという意味で名づけられたのが「講道館」という名だった。

自身も非常に勉学に熱心で、柔道の研究に必死で取り組み、一方では国内外で体育の奨励活動にも尽力し「日本体育の父」ともいわれた嘉納治五郎は、青少年の教育にも情熱を注いだ。

また、治五郎は灘中学校の創立にも情熱を傾け、当時、中学の先生を養成する東京高等師範学校(現筑波大学)の校長を25年間勤めた治五郎の愛弟子であった、38歳の真田範衛を校長に招聘し、灘中高の歴史がスタートした。その灘中学・高等学校に、現在も掲げられる校是が、この「精力善用 自他共栄」とされたわけだ。

ところで、今回の世界柔道選手権大会の結果に話を戻すが、渋谷教育学園渋谷中高の出身で、次回オリンピックの金メダル候補として期待されている女子52キロ級の中村美里選手は今回、日本人選手同士の決勝となり、西田優香選手に惜しくも判定で敗れた。

48キロ以下級の福見友子選手と浅見八瑠奈選手、63以下キロ級の上野順恵選手と田中美衣選手も、同じく日本人同士で決勝を戦っている。日本柔道のレベルは、いまもこれほど高い。

「精力善用 自他共栄」。いずれにしても、ユニークな標語であり、校是であることに変わりはない。しかし、日本柔道の心がこの言葉に込められている。

 

Medaru20102▲今回の世界柔道選手権大会のメダルには、柔道の父・嘉納治五郎の姿と「精力善用 自他共栄」の言葉が彫られていた。

 

Nadakoumon ▲灘中学・高等学校の校門。いまも校内には「精力善用 自他共栄」の書が掲げられている。

 

 

【初出:NettyLandかわら版2010年10月号】
(北 一成)

2010年9月27日 (月)

[暁星中、国学院大学久我山中、慶應義塾中等部がベスト4に]かえつ有明中がサッカー都大会で優勝!都ベスト4はすべて私立中高一貫校に。

夏休みに入って間もなくの時期ではあるが、7月23日から7月30日にかけて行われた、中学サッカーの「第49回東京都中学校総合体育大会」兼「第63回東京都中学校サッカー選手権大会」で、かえつ有明中がみごと優勝を果たし、5月に行われた「第28回東京都中学校サッカー春季大会」での優勝に続いて、“春夏連覇”を成し遂げた。

ちょうど本誌前号の「私立中高部活カタログ」で紹介させていただいた同校の中学サッカー部。熱心な顧問の先生2名に率いられ、練習に励んできたチームが、続けて東京都で優勝できたことは、その指導方針や練習の積み重ねが、良い結果として表れた、その証といえるだろう。

1点の差を争うサッカーという競技で、かえつ有明中が都大会で連続優勝を成し遂げたことは、間違いなく同部の力が東京都のトップレベルだったことを証明するものだ。同部のメンバーは全員が中学受験をクリアして入学してきた生徒たち。そこに至るまでの指導と努力は、まさに賞賛に値する。

もうひとつ、この夏の中学サッカーの都大会の結果として印象に残ったことは、ベスト4まで勝ち上がった学校が、4校ともすべて私立中高一貫校だったことだ。

左下のトーナメント表は、今大会のベスト16以上を抜粋したもの。大会最終日の7月30日の決勝、および3位決定戦まで進出したのは、優勝したかえつ有明のほか、準優勝の暁星、第3位となった国学院大学久我山、第4位の慶應義塾中等部の4校だった。

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筆者はこの10年近く、毎年この大会の結果を見ているが、都のベスト4すべてが私立中高一貫校だった年はかつて記憶にない。暁星、麻布はこの間、都大会優勝を果たした年があるし、城北も都ベスト4まで進出した年があった。しかし、この夏、ベスト4がすべて私立中高一貫校となったことには、改めて驚かされた。

中高一貫教育のメリットのひとつに「高校受験で(中高を3年づつに)分断されない時間的ゆとりのもとで、(とくに中学3年間の)クラブ活動に思い切り打ち込める」という点が挙げられる。

今回の中学サッカー都大会の結果は、そうした強みや利点を生かし、各私立中高一貫校のメンバーが思い切りサッカーに打ち込んできたことによるものだろう。

この都大会を経て、優勝したかえつ有明中と、準優勝の暁星中は、8月6日から茨城県水戸で開催された「第41回 関東中学校サッカー大会」(参加校は16校)に駒を進めた。結果は惜しくも、かえつ有明はベスト8、暁星は1回戦敗退にとどまったが、ともに紙一重の接戦の末の惜敗だった。来年以降にはきっと、両校を筆頭に、激戦の東京都で鎬を削り、そのなかを勝ち上がってきた東京都代表の私立中高一貫校が、全国大会まで駒を進めて、さらなる活躍を見せてくれることだろう。

左のトーナメント表を見ていると、かえつ有明、暁星の両校以外にも、そうした期待ができそうな私立中高一貫校が多いことに気づく。私立中高一貫校だからこそできる部活動、スポーツでのさらなる活躍を、これからも各私学に期待したい。

【初出:NettyLandかわら版2010年9月号】

(北 一成)

Sportskaetsusoccor02 ▲この夏の中学サッカー東京都大会で優勝を果たし、喜びを分かち合う、かえつ有明サッカー部のメンバー

Sportskaetsusoccor03 ▲東京都大会の表彰式で、準優勝した暁星中(赤のユニフォーム)、ベスト4の国学院大学久我山中、慶應義塾中等部と並んで表彰を受けるかえつ有明中

2010年8月30日 (月)

世界の舞台で戦うために…。サッカーにも必要な論理的な言語力

6月11日から7月11日にかけて開催された、「サッカーワールドカップ2010南アフリカ大会」では、スペインとオランダのヨーロッパ勢同士の決勝を、延長戦のうえスペインが1対0で制し、初の優勝を飾った。

日本代表チームも、32の代表国が4チームずつ8グループに分けられたグループリーグEを2勝1敗(勝ち点6)で勝ち上がり、決勝トーナメントに進出した。

大会直前には「劣勢か?」とも言われた日本代表チームは、初戦でアフリカの強豪カメルーンを1対0で破ると、続く2戦目は、破れはしたものの、準優勝したオランダを1点に抑える善戦。そして第3戦のデンマーク戦では3対1の快勝で見事にグループリーグを突破。6月24日の夜には、本田圭佑選手、遠藤保仁選手と続いた2本のフリーキックと、ダメ押しの岡崎慎司選手のシュートによる3得点に、現地のみならず日本国内のサポーターも大いに沸いた。

2002年のワールドカップ日韓共催大会でも、日本はベスト16まで勝ち上がったが、今回はアウェーで初のベスト16進出。決勝トーナメントでは、グループリーグFを1位で抜けた南米の強豪・パラグアイに同点・延長の末のPK戦で敗れたものの、ほぼ互角といえる接戦を演じ、「日本サッカーが世界のトップに近づいた」と思わせる好試合を見せてくれた。

この大会の日本代表チームの選手のなかには、中学受験生にも親しみのある私立中高一貫校の出身選手が少なくなかった。

日本のディフェンスの要となって活躍したセンターバックの田中マルクス闘莉王選手は、渋谷教育学園幕張高(千葉)の出身。今回こそ出番は少なかったが、長く日本代表チームの不動の司令塔として活躍してきた中村俊輔選手は桐光学園高(神奈川)の出身であることは広く知られている。

ほかにも、今大会で世界のサッカー界から注目を集めた本田圭佑選手は星陵高(石川)の出身、長友佑都選手は東福岡高(福岡)出身、岡崎慎司選手は滝川第二高(兵庫)出身、阿部勇樹選手は東京学館浦安高(千葉)の出身だ。

こうした日本選手の活躍は、小学校時代にサッカーに親しんできた中学受験生にとっても励みになる。受験勉強のヤマ場といわれる夏休み直前の時期ではあったが、このワールドカップの開催期間は、(保護者の心配をよそに?)テレビで日本代表の奮戦に声援を贈った小学生も多いことだろう。

ところで今回は、そうした日本のサッカーが、「世界と互角に渡り合う」ために、とくに若年層の選手強化策のひとつとして書かれた新書を2冊ご紹介したい。

ひとつは、『史上最強バルセロナ世界最高の育成メソッド』(ジョアン・サルバンス著。小学館101新書)。

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『史上最強バルセロナ 世界最高の育成メソッド』(ジョアン・サルバンス著。小学館101新書)

今回のワールドカップで優勝したスペイン代表選手の多くをはじめ、世界最高のストライカーともいわれるアルゼンチンのリオネル・メッシなども育てた、名門クラブチーム「FCバルセロナ」のジュニア育成の仕組みやコンセプトが述べられている。

この「バルサ」の育成システムのもとで育った、体格的にも小柄で、決してフィジカルが強靱とは言い難い、チャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタなど、身長わずか170センチほどの選手が、今大会の鮮やかなスペイン優勝の立役者だったことを思うと、あらためて興味が沸いてくる。

もうひとつは、『「言語技術」が日本のサッカーを変える』(田嶋幸三著。光文社新書)。

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『「言語技術」が日本のサッカーを変える』(田嶋幸三著。光文社新書)

現在は日本サッカー協会(JFA)専務理事を務める著者が、日本代表の強化や若年層の育成に取り組んできたなかで見いだした、これから世界で戦うサッカーに必要なひとつの条件、それが「論理的な言語能力」だったという。

少年期のサッカー選手を一貫した寄宿舎体制で育成するために、2005年に福島の「Jヴィレッジ」を舞台に開校した「JFAアカデミー福島」では、サッカーそのものの技術指導だけではなく、そうした言語能力の育成のために、「言語技術」(三森ゆりか氏の主催する筑波言語技術教育研究所による)というプログラムを導入。選手のみならず、指導者研修でもそうした“言葉の力”を重視し、世界で通用する選手の育成をめざしてきたという。

技術を磨くことで外国人とのフィジカルの差を乗り越え、こうして論理的な表現力、高いコミュニケーション能力を身につけた若いサッカー選手が、これから次々と世界の舞台で活躍する様子を思い描くと、楽しみもさらに膨らむ。

そういえば、この「言語技術」のプログラムを授業にも導入しているのが、千葉の麗澤中高だ。

こうした話題でも、サッカーを楽しみ、日本のスポーツ選手や、私立中高一貫校の今後の成果に期待を寄せることができる。だからスポーツは面白い。

【初出:NettyLandかわら版8月号】
(北 一成)

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理想のパス・サッカーを追求し、練習に励む、かえつ有明中サッカー部

2010年8月 3日 (火)

私立中高一貫校の多くが掲げる目標に向けて… 私学の多くが関東大会で活躍。実践女子学園はソフトテニス団体で出場!

6月初旬の土曜日に、町田市立総合体育館で行われた、とある高校スポーツの関東大会を観戦する機会があった。

初夏のこの時期には例年、各種のスポーツで中学・高校ともに、関東大会が開催されている。インターハイ(全国高校総合体育大会宇)や、全国高校選手権大会などの高校スポーツのビッグイベントとは違い、新聞報道やテレビ放映されることはほとんどないが、この関東大会が意外に面白い。

それは、全国レベルの大会ではめったに見られない、いわばふつうの「中高一貫の私立進学校」が、予想以上に数多くこの関東大会に駒を進めて、それぞれに活躍を見せているからだ。

なかにはサッカーや硬式野球など、たとえ関東大会といえども、全国大会と同じように、各都道府県から1~2校しか出場できないという厳しい競技もある。しかし、それ以外の競技には、各都道府県から5~10数校が関東大会に出場できるというケースも多い。

たとえば先月号のこのコーナーでは、高校バレーボールの東京都からの今年の関東大会出場校をご紹介したが、そのなかには、中学受験生の家庭にもお馴染みの私立中高一貫校も名を連ねていた。

東京都以外の県からも、男子では、桐蔭学園(神奈川)、東海大相模(神奈川)、西武台(千葉)、埼玉栄(埼玉)など、女子では、東海大相模(神奈川)、横浜隼人(神奈川)、春日部共栄(埼玉)などが、今年の関東大会に駒を進めていて、各地の私立中高一貫校の男女高校バレーボール部が、大いに健闘していることが感じ取れた。

そういえば、6月初旬に実践女子学園を訪れた折に、校舎には、「祝 関東大会出場 高校ソフトテニス部」と描かれた垂れ幕がかけられていた。そして、その垂れ幕のかかった校舎を、練習帰りにデジカメで撮影しているソフトテニス部員らしい姿が…。その場にいた先生に聞いてみると、今年はソフトテニス部が関東大会出場という、快挙を成し遂げたという。

その場では、微笑ましい風景と感じただけで何気なく学校を後にしたのだが、よく考えてみると、彼女たちにとっては、「関東大会出場」という、その立派な戦績は、よほど嬉しかったに違いない。

実践女子学園は、高校での募集を行わない完全中高一貫校。しかも、ここ数年、グローバルスタディーズクラス(国際学級)の新設などをはじめ、着々と学校改革を重ねて、本格的な進学校に変貌しつつある注目の私学だ。そういうベクトルにある私立中高一貫校の運動部員が、その環境のもとでなお、こうした活躍を見せてくれたことが頼もしい。

ちなみに、5月2日(日)・3日(月・祝)に行われた、関東高等学校女子ソフトテニス選手権大会(団体)東京都予選の上位進出校は以下の通り。このうち、優勝した文化女子大附杉並をはじめ、国本女子、千代田女学園、実践女子学園の4校が、6月4日から茨城県水戸市で行われた高校女子ソフトテニスの関東大会に駒を進めた。

もちろん、スポーツは結果が全てではないし、勝ち負け以外にも大事なことがある。しかし、それぞれの部や選手たちが立てた目標は、できるかぎり達成してほしい。「できると信じて」努力を重ねることにこそ大きな意味がある。

そして、中高6年間、悔いのない活動をした後に、それぞれの進路目標に向けて、気持ちも新たに努力をすることで、そちらの希望もかなえてほしいと思う。

スポーツで鍛えた気力、体力、集中力は、大学受験でも大きな力になる。これはほとんどの私学の先生が一様に述べていることでもある。自らの目標とした関東大会への出場をかなえ、やがて大学受験に挑んでいく私学の生徒たちの健闘が楽しみだ。

【初出:NettyLandかわら版2010年7月号】
(北 一成)

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▲6月初旬に、実践女子学園の校舎に掲げられていた「祝 関東大会 高校ソフトテニス部」の垂れ幕。

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2010年7月 5日 (月)

[今年は早稲田が“私学の両雄対決”を制す] 第79回・早慶レガッタ

春の隅田川の風物詩「早慶レガッタ」が、今年も4月18日(日)に開催された。野球の早慶戦に次いで1905(明治38)年から開催されてきた、このボートレースは、今年で第79回を迎えた歴史ある対抗戦だ。

この日の最終プログラムであるメインレース「対抗エイト」は14時50分に両国橋をスタートし、浅草の桜橋のゴール地点まで3000メートルを、ほぼ10分ほどで漕ぎ抜く激しいスピードレース。ただし今年は、レース直前の練習中に、慶應のボートが沈んでしまうというトラブルが勃発。予定より1時間40分遅れて、16時30分のスタートとなった

それでも、ゴール近くの桜橋のふもとには、両大学の応援団が陣取り、最後のレースまで声援を贈り続ける。

今回は中盤の競り合いから、ゴールのひとつ手前の吾妻橋付近でリードを広げ、逃げ切った早稲田大学が、昨年の雪辱を果たして勝利を飾った。

青空に爽やかな風が吹く日曜の午後、隅田川の水しぶきを浴びながら進む両校のボートとクルーには、多くの人々が観戦する両岸から、レースには熱い声援が贈られ、レース後も健闘を讃える大きな拍手が寄せられた。

「紺碧の空、仰ぐ日輪……」で始まる早稲田大学の応援歌『紺碧の空』と、「陸の王者、慶應……」のフレーズが有名な慶應義塾大学の応援歌『若き血』は、この早慶戦の歩みとともに多くの人に親しまれてきたもの。両大学の学生・OBをはじめ、川岸で応援する多くのファンや観客による、その歌声が、この日、春の隅田川にこだました。

両チームとも全力を出し切ったレースの後、勝って喜ぶ早稲田大クルーには一段と大きな拍手と声援が寄せられたが、トラブルにもめげずに奮戦し、惜しくも破れた慶應大クルーにも、同じく大きな拍手と「よくやったー!」という激励の声がかけられた。

こうした母校の選手たちのがんばりに声援を送り、ともに校歌や応援歌を歌うなかで、両大学の学生は貴重な思い出や愛校心を育んでいくのだろう。

競技に挑む選手や、応援席の両大学生だけではなく、周囲で観戦する多くの人々にも爽やかな感動を与えてくれる、こうした伝統の対抗戦は、無形の価値あるものに違いない。その伝統を築いてきたのは、さすがに“私学の雄”といわれる両大学ならではだ。

この日のプログラムには、早慶両チームの大学生だけではなく、両校のOBや教職員、東大・一橋大学OB、早慶両大学の付属中高生によるレースもあり、9時40分の第1レースから最終の第13レース「対抗エイト」まで、さまざまなレースが楽しく観戦できる。

こうした楽しい伝統行事があることは、早稲田、慶應義塾の付属中高を志望する中学受験生とその家族にとっても、また、首都圏や全国の中高一貫の進学校から両大学への受験~合格をめざす中高生にとっても、ひとつの励みとなるに違いない。

Sports01 ▲東京・隅田川で毎年4月に行われる「早慶レガッタ」は、春の風物詩ともいわれる。

Sports02 ▲すでに東京タワーの高さを超えた、墨田区の新名所・東京スカイツリーが川越しに見える。完成すると634メートルとなる。

Sports03 ▲メインレースの「対抗エイト」では、吾妻橋付近から早稲田が慶應をリードした。

Sports05Sports07Sports04 ▲これも風物詩となっている両大学の応援風景。手前が慶應、奥が早稲田。

Sports07_2▲メインの「対抗エイト」を制した早稲田クルーは応援団に手を振って勝利の喜びを共にする。

【初出:NettyLandかわら版2010年5月号】
(北 一成)

2010年5月27日 (木)

[私学の伝統をつなぐもの、受け継ぐもの]~城北高、中村高バレーボール部が、都ベスト8。念願の関東大会へ!

5月の連休を挟む土・日・祝日には、中高のスポーツ各種目の地区大会や都道府県大会が行われた。

そうしたなか、男子は4月25日〜5月2日、女子は5月9日〜16日にかけて行われた東京都高校バレーボールの関東大会予選で、男子の城北高、女子の中村高が都ベスト8に進出。6月に行われる関東大会への出場を決めた。

都内屈指の進学校でもある城北高バレーボール部は、かつてインターハイ1回、関東大会10回出場の記録を持つ古豪。しかし最近では、全国トップレベルの実力校として知られる東洋高、東亜学園高、駿台学園高をはじめ、早稲田実業、安田学園、東海大菅生などの強豪校が常に鎬を削る東京都で、上位進出することは難しかった。

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▲都大会2日目の4月29日。ベスト8への進出と関東大会出場を決めて喜びをわかち合う城北バレーボール部のメンバー。

しかし、現総監督の大塚敏宏先生を筆頭に、顧問の先生たちによる中高一貫した指導と部員の努力で関東大会出場をめざしてきた。

昨年の関東大会予選でも都ベスト16まで進出。東京都からは12校(今年は14校)が出場できる関東大会への出場権をかけて順位決定戦に挑んだが、惜しくも紙一重の差で関東大会への切符を逃した。そうした部員やOBの悲願をかけて挑んだ今年の予選大会では、みごとベスト8に進出。その瞬間に関東大会出場を確定させた。

一方、女子では、この数年、進学校としても成長著しい中村高が、やはりベスト8まで進出。11年ぶりの関東大会出場を決めた。

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▲監督の鈴木剛先生の熱心な指導のもと、完全中高一貫校ながら関東大会への出場を決めた中村高バレーボール部。

この中村高女子バレーボール部は、昭和の初期から30年以上に渡って黄金期を築き、太平洋戦争を挟んで公式戦149連勝、全国優勝30回を打ち立てた、女子バレー界の超名門校。日本の女子が世界を制する基盤をつくってきた存在であり、その後も度々、全国大会へと駒を進め、上位まで進出する活躍を見せてきた。

しかし、1991(平成3)年の中学校再開を期に、中高一貫の進学校としての教育の充実と発展をめざすなか、伝統の女子バレーボール部はしばらく、全国レベルの活躍からは遠ざかっていた。

その後、2006年に同校は“中高一貫化”宣言。2009年からは高校募集を停止して「完全中高一貫校」としての新たな歩みを進めてきた。そうした進化のもとでなお、今回バレーボール部が、かつての伝統をつなぐような活躍を見せてくれたことが嬉しい。

現在の高校女子バレーボールの東京勢は、男子以上に強豪揃い。下北沢成徳高、文京学院高、共栄学園高、八王子実践高は、いずれも全国大会で常に上位に進出、優勝も狙える名門校。さらに実践学園、駿台学園など、全国大会出場経験もある実力校がひしめくなかで、ベスト8の一角に食い込むことは並大抵のことではない。今回、ベスト8進出をかけての一戦も、フルセットのジュースで、先にマッチポイントを取られてからの逆転勝ちで勝利を収めたという。

このときの様子を、今春4月から同校の校長に就任したニューリーダー・梅沢辰也先生は、同校ウェブサイトのなかのブログ「チャンネル校長室」で、「試合終了後、コートサイドでは選手、監督が抱き合い、そして涙。結果が全てでないことは分かっている。しかし、たてた目標は達成してほしい。『がんばれ中村生』できると信じて」とコメントしている。この梅沢先生も、かつて中村高バレー部を全国大会へ導いた指導者。いまは立場と役割は違っても、同校の伝統を受け継ぐ女子バレーボール部の生徒の“熱い思い”を後押しする気持ちに変わりはないだろう。

その高校バレーボール関東大会は、6月5日(土)・6日(日)、男子は東京・町田市、女子は群馬・前橋市で開催される。城北高、中村高をはじめ、私立中高一貫校の活躍が楽しみだ。

【初出:NettyLandかわら版2010年6月号】
(北 一成)

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●お詫びと訂正
5月末に発行された「Netty Landかわら版」2010年6月号P19の「HOT NEWS/Sports」の文章の末尾、「高校バレーボール関東大会は、6月5日(土)・6日(日)、今年は東京の町田市で開催される」という開催地の記載に、一部間違いがありました。
正しくは、「男子は東京・町田市、女子は群馬・前橋市で開催される」です。
また、日程に間違いはありません。
なお、上記の記事はその箇所の修正を済ませたものです。
読者の皆さまと関係各位にお詫び申し上げ、訂正させていただきます。

2010年5月13日 (木)

[春のスポーツのシーズンに紹介したい青春小説]走れ!一瞬の風になれ

今年も中学入試シーズンが終わり、やがて春を迎える時期となった。まだ中学入試の熱気が冷めやらぬ、日本時間2月13日から3月1日にかけては、バンクーバーで「第21回・冬季オリンピック大会」が行われ、フィギュアの浅田真央選手の金メダルへの期待をはじめ、日本人選手団の各選手の健闘で国内も沸いた

そして、この3月の春休みには、テレビでも中継されている、「第82回・選抜高校野球大会(通称・春のセンバツ)」や、「第41回・全国高等学校バレーボール選抜優勝大会(通称・春の高校バレー)」などの、高校スポーツの春の祭典が盛り上がっている。

ほかにも各地で、各種目ごとに高校生や中学生の春の大会が行われている。桜咲く入学の時期を前に、いま“春のスポーツのシーズン”の真っ直中だ。

そんな時期ゆえに、お伝えしたい話題はいろいろあるのだが、今回はあえて、高校スポーツを題材にした、青春小説をここで紹介したい。

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▲幻冬舎文庫「走れ!T校バスケット部」(松崎洋著)。定価(本体495円+税)。

左上は、奥付発行日が2月25日となっている幻冬舎刊の文庫本「走れ!T高バスケット部」(松崎洋著)だ。本書はもともと、彩雲出版から発行されていた単行本が文庫化されたもので、口コミだけで30~50万部も売れたという、いま話題の本。

中学時代、バスケット部キャプテンとして関東大会2位の実績を残した主人公が、高校では全国大会上位の常連である名門校に進学。そこでの人間関係のもつれから、学校を辞めて都立高校に転入。そこで出会ったユニークな仲間たちと再びバスケットに打ち込み、かつて自分が在籍した名門校を都大会決勝で破るという物語だ。

バスケットボールの経験者や詳しいファンからは、プレーやゲームの記述にリアリティがないとか、あるいは現実にはありえない話だとか、やや辛口の批評も寄せられているようだが、とにかく痛快で単純明快なキャラクター描写やストーリー展開で、最初から最後まで、楽しく一気に読める。久々に爽快な読後感を味わえた一冊。小学生にも短時間で読めるはず。

もうひとつ右下は、昨年の夏に講談社から文庫本3巻が発行された「一瞬の風になれ」(佐藤多佳子著)。これも、2007年に吉川英治文学新人賞と本屋大賞をダブル受賞して話題になった、同社発行の単行本を文庫化したものだ。

こちらは陸上競技を題材に、サッカーから短距離走に転向した主人公が、同級生で天才的な短距離ランナーの親友と一緒に走ることで、自分の思った以上のスピードを身につけて他校のライバルに勝つ物語。これもタイトルのごとく、一瞬の爽快な風のような読後感があった。やはり小学生にも無理なく読めそうな一冊だ。

▼講談社文庫「一瞬の風になれ」(佐藤多佳子著)。定価:1巻(本体495円+税)、2巻(本体552円+税)、3巻(本体743円+税)。

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この春のスポーツのシーズンに、実際に各競技の大会を観戦するのも楽しいが、読書でその醍醐味に触れるのも面白い。素直な気持ちで新鮮な感動を味わうことができると、さらにスポーツが好きになったような気がする。

【初出:NettyLandかわら版2010年3・4月号】
(北 一成)

●付記

本誌前号でも紹介した共栄学園高の女子バレーボール部が、代々木体育館で行われている「春の高校バレー」で、3月24日現在、ベスト4まで勝ち上がっている。昨年夏の中学の全国制覇に続く、高校全国制覇も夢ではなくなってきた。どうなる、共栄学園?

2010年2月19日 (金)

[私立中高一貫生の冬の活躍]桐蔭学園高はラグビー、東京成徳大学高は女子バスケットで全国準優勝!

冬の寒さも吹き飛ばすかのような、熱い戦いが見られる高校スポーツの全国大会。この冬も12月から1月にかけて、そうした各大会が行われた。

12>月27日から1月7日にかけて、大阪の近鉄花園ラグビー場で行われた第89回「全国高校ラグビー大会」では、東福岡(福岡)が全国制覇。桐蔭学園(神奈川)は決勝まで進出したが、惜しくも決勝で涙を飲んだ。名門・国学院大学久我山は、今回はベスト16に。

12月23日から29日まで東京体育館で開催された、第40回「全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会(ウィンターカップ2009)」では、男子は明成(宮城)が初優勝。読者の皆さんにも馴染みのある私立中高一貫校では、福岡大学附属大濠(福岡)が第3位。東海大学付属相模(神奈川)、京北(東京)がベスト8まで進出した。

女子では、決勝は何と3年連続となった桜花学園(愛知)と東京成徳大学(東京)との宿命のライバル対決。この両雄決戦を桜花学園が制し、3年連続17回目の全国優勝を勝ち取った。このほか私立中高一貫校では、星城(愛知)がベスト8に進出。本誌12月号でも紹介した八雲学園(東京)もベスト16と大健闘。ほかに実践学園(東京)、昭和学院(千葉)、埼玉栄(埼玉)、などの私立中高一貫校が、ベスト16まで進出している。

12月30日から1月11日まで東京で行われた第88回「全国高校サッカー選手権大会」では、山梨学院(山梨)が強豪・青森山田(青森)を1対0で下して初優勝。快進撃を続け、準決勝では青森山田との2点差をロスタイムで追いつき、惜しくもPK戦で敗れた関西大学第一(大阪)は第3位となった。帝京(東京)、武相(神奈川)も善戦したが、今回はともに1回戦で涙を飲んだ。

しかし、今回の高校サッカー全国選手権大会では、終了後の大会総評でも、「中高一貫校の躍進」に焦点が当てられた。準優勝した青森山田や、ベスト8に進出したルーテル学院(熊本)がその典型といわれ、やはりベスト8の神村学園(鹿児島)も注目された。とくに青森山田の決勝の先発メンバー11人中、5人が青森山田中の出身。中学生の指導もする同校の黒田監督は「6年間で青森山田のサッカーを教えられる」と、その効用を語ったという

そういえば、先に触れた桐蔭学園高ラグビー部にも、中高一貫生でがんばっている選手は毎年多いと聞く。

また、東京成徳大学高の女子バスケットボール部の主力は、毎年多くが東京成徳大学中から進学した中高一貫生。チームゲームの球技で高校日本一を競うような種目の強豪チームのなかでも、この一貫生の活躍ぶりは見事というほかない。男子のバスケットでも京北(東京)が、ほかの競技では女子のバレーボールで共栄学園(東京)や文京学院大学(東京)が、やはり中高一貫の指導体制のもとで全国レベルの活躍を見せているが、こうした中高一貫体制での私学のスポーツの活躍は、学内に活気をもたらし、他の生徒にとっても励みになることだろう。

そういえば、毎年3月に代々木体育館で行われる「春の高校バレー」に向けて、1月16日に行われたバレーボールの東京都代表決定戦では、昨年夏に中学が全国制覇を果たした共栄学園が、高校でも都大会を制覇し、東京第一代表として、この「春高バレー」に挑む。

ほかにも、各種のスポーツで“冬の活躍”を見せた私立中高一貫校は全国に少なくないだろう。まさにいま、この2010年入試に挑む中学受験生にも、こうした先輩たちのがんばりを励みにしてほしいと思う。

【初出:NettyLandかわら版2010年2月号】
(北 一成)

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写真は、昨年度の第87回「全国高校サッカー選手権大会」に東京代表として出場し、ベスト8まで進出して話題を呼んだ国学院大学久我山(白のユニフォーム)と同校の大応援団。

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