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2013年5月 7日 (火)

横浜雙葉で筑波大学との連携授業が実現 高1生徒が「遺伝子組み換え実験」に取り組む

神奈川県横浜市のカトリック女子校・横浜雙葉(神奈川・横浜市。女子校)では、去る2012年11月に、筑波大学遺伝子実験センターとの連携による、高校1年生全員を対象にした遺伝子に関する生物基礎「遺伝子組み換え実験」の特別授業が行われました。

この講義および実験は、日本植物細胞分子生物学会が推進している「GM教育支援プログラム」の一環として行われました。ここでいう「GM」とは、「遺伝子組み換え」の略。遺伝子組み換え作物のことを「GMO」と呼ぶこともあります。

 

 

実験を通じて遺伝子組み換えについて学び、現代社会を生きていくときに必要となるであろう能力の1つである「遺伝子リテラシー」を身につけることや、生物系の進学意欲を高めることがプログラムの効果として期待することができるといいます。私学の女子校で、このような取り組みを実施することからは、生徒達の学ぶ意欲や先生方の教える意欲の高さをうかがうことができます。

 

 

 

今年から初めて高1生徒全員を対象に実施されたこの特別授業は、11月8日(木)・9日(金)に生徒自身の手による大腸菌の形質転換実験が行われ、その後の11月13日(火)には、同センター准教授の小野道之先生による2時間の特別講義が行われました。

 

 

 

  まず、横浜雙葉中高で教鞭をふるう理科(生物)担当の東昌子先生が、教育目的遺伝子組み換え実験に関する講義と、当日の実験指導を担当します。生徒自身による大腸菌の形質転換の実験が、高校1年の4クラスでそれぞれ行われたのは、11月7日(水)と8日(木)。その実験の様子と前日結果の両方を、11月8日(木)に見せていただくことができました。なお、今回の実験材料の一部(キット)は、日本植物細胞分子生物学会とバイテク情報普及会の共催による「GM教育支援プロジェクト」より提供されました。

 

 この日、4・5時間目に行われた実験では、生徒達はそれ以前の授業で説明を受けた内容に基づき、プラスミドDNAを大腸菌の細胞内に入れ、GFP(※)遺伝子が発現(転写)されるように形質転換を行いました。この実験では、形質転換によって細胞が本来持っていないGFP遺伝子を取り込むことで細胞の性質が変わり、その結果、大腸菌のコロニーにブラックライトの紫外線を照射すると、大腸菌が発光して緑色の蛍光色が浮かび上がります。その幻想的な光景に、生徒の多くが感嘆の声を上げました。

対象実験を実施した後に、筑波大学の小野先生に寄せられた生徒の感想や質問のなかの「コントロールプレートの意味がわかりません。」という質問に、小野先生は「実験には、実験区と対象区が必要です。コントロールプレートは、対象実験として考えることができる培地のことです。今回の実験では、4枚の寒天培地が、相互に実験区と対象区になっています」と答えています。こうした、生徒と先生との一つひとつのやり取りの中で、科学リテラシーが生徒達にと手渡されている様子が印象的でした。

 

 

実験の後、11月13日(火)に同校の講堂で行われた小野先生の特別講義では、生徒達が行った実験を通して、科学の驚きやときめきが共有されました。また、遺伝子組み換え作物に関しての情報も多く提供され、その安全性や必要性が語られました。 

世界における食糧危機がクローズアップされ、遺伝子組み換え作物の安全性が問われる時代に、高校の授業を通して遺伝子リテラシーが伝えられていくことの意味は大きいという考え方です。

  

こうした講義や実験を通して、横浜雙葉の生徒は、自分たちの手による実験操作により、大腸菌にオワンクラゲ のGFP遺伝子を導入し、紫外線が当たると緑色に光るように形質転換させる体験をするとともに、遺伝子組換えについて理解を深めるきっかけを得ることができました。

 

生徒の感想には、「一般市民が遺伝子について正しい判断を求められることの多い時代に、文系理系を問わず、このような機会を得ることができたことに感謝し、将来に活かしていきたいと考えています」というものもありました。

 

 

 

 

こうして、自らの生活にも関係することに科学的にアプローチし、その本質に触れ、いわば持続可能な社会をつくりあげる基礎をすでに学んでいる横浜雙葉の生徒たち。今回の取材を通して、日本の私立中高一貫校は、未来の世界をつくるための教育に取り組んでいることを感じました。

 

 

 

  

  ※GFPとは、発光オワンクラゲに含まれる緑色蛍光タンパク質のことである。GFPは、2008年、下村脩氏がノーベル化学賞を授与されたことでも有名である。

詳しい実験方法や、GM教育支援プログラムは、以下のURLより配信されています。

●筑波大学遺伝子実験センター
http://www.gene.tsukuba.ac.jp/

  

  

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