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2012年6月 5日 (火)

【クラブ座談会】クラブ活動は中高一貫の魅力の一つ。中高時代に打ち込めるものを見つけよう。

クラブ活動に熱心に取り組み、最も近いところで生徒の姿を見守っている顧問の先生方にお集まりいただき、クラブ活動の実情や、成長の様子、クラブ活動が与える影響などをお話しいただきました。

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努力あるのみ。環境に甘えるな

司会 3校ともに全国大会に出場されている強豪クラブですが、やはり恵まれた環境の中で活動されているのでしょうか。

柳本先生 いえいえ。女子校の中にはスタジオや小劇場をもっているところもありますが、うちは教室が主な活動場所です。私はつかこうへい劇団で学ばせてもらったこともあり、つか先生の「口立て」という方式で指導しているんですね。普通は台本を読み、それを覚えて芝居するのですが、「口立て」は先生がしゃべって、それを演者がおうむ返ししているうちに芝居ができあがっていくという方式なんです。うちの場合、それを教室でやるので、私と演じる部員との距離がとても近いんですね。恥ずかしがったら負けですよ。自分の殻を少しずつ破っていき、その場の雰囲気に乗って、違う人格にならなければ演劇は成立しないわけですから、思春期の男子が敬遠するのもやむをえないですよね。本当はもう少し部員を増やしたいのですが、毎年15~16人にとどまっています。

渡辺先生 うちも限られた場所で、時間を縫って活動しています。結果、日曜日以外、毎日活動しているのですが…(笑)。中学生は17時45分完全下校なんですね。冬は17時15 分。練習を始めるのは16時過ぎからなので、アップで終わってしまう感じなんです。ですから朝は7時30分の開門に合わせて登校。8時5分の点呼まで練習し、昼は昼食を12時55分までに済ませて13時20分まで練習するというように、短い時間をつなぎ合わせて補っています。

森先生 うちは週6日です。平日は16時前から始めて、2時間あまり活動できるのですが、主な活動場所は屋上なんですよね。階段や廊下でトレーニングすることもあります。体育館を使えるのは金曜日だけ。それも女子と一緒、17時までなので、男女合わせて60名くらいの部員が体育館の半分のスペースで、ごちゃごちゃ活動している状態です。

司会 その環境で、よく全国大会まで勝ち進めますね。秘訣は何ですか。

森先生 私が実践学園に就職した時は、まだ関東大会にも出ていなくて、まさに「屋上から全国へ」をキャッチフレーズに頑張っていたのですが(笑)。今はバスケ部に入りたいから受験するという志の高い子が入って来てくれるので、それが大きいと思います。また、大会の組み合わせにしても、試合の流れにしても、運を味方につけなければ勝ち進めないので、子どもたちには「徳を積みなさい」と言っています。「日頃の行いが大事だよ」と。例えば試合に行ったらくつやバッグを揃えるとか、更衣室をきちんと使うとか、そういうことに気を配らせて、いい精神状態で試合に臨むことを心がけています。全国大会で勝つことも目標ですが、もう一つ、「みんなに応援してもらえるチームになろう」という目標があるんですね。家族や担任の先生が「頑張れ」と送り出してくれる。負けた相手が「応援したい」と思ってくれる。そういうチームになれれば、目標としている全国ベスト8、あるいはベスト4に近づくことができるのではないかと思っています。

司会 学校によりクラブ活動の位置づけはさまざまですが、みなさんの学校はいかがですか。

柳本先生 やはり勉強が一番、クラブ活動は二番です。中学生の多くはなんらかのクラブに所属していますが、高校生になるとだんだん挫折して勉強中心になる子が増える傾向にありますね。

渡辺先生 うちは最近「文武両道」をうたっています。学生の本分は勉強ですが、クラブ活動をやっている子のほうがクラスで人のために動けたり、大学進学においても気力(特に粘り強さや集中力・最後まであきらめない気持ちなど)や体力を発揮して難関校に受かったりするので、学校が理解を示してくれるようになったんです。ところが子どもたちにチャレンジ精神が乏しいというか、うちでも獨協さんのような傾向が見られ、高校から負担の少ないクラブに移る傾向があります。

森先生 うちも「文武両道」をうたっていますが、昔に比べると(学校が)勉強に力を入れるようになって、(クラブ活動に)やや制約が増えている感じはありますね。それでも高尾にグラウンドがあるので、高校のサッカー部や、女子バスケ部、卓球部はこの6月に行われる関東大会に出場します。うちはクラブ活動に魅力を感じて入学してくる子が多いので、満足感を与えられるだけのバックアップはしてほしいところです。

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一つのことに打ち込む。 その経験は生きていく上で必ず役に立つ!

司会 先生方がご自分の時間をさいてまで熱心にクラブ活動に取り組む理由を教えてください。

柳本先生 私は自分も演じていたので、人に向かって自分を表現できる喜び。しゃべったり、大ウソをついたりする楽しさ。あるいは劇場に行けば、くぎ1本打つにしてもプライドをもっている職人さんたちと触れ合える…。そうした体験がどれほど大きいかがわかっているので、子どもたちには人前で芝居をすることの楽しさを一生懸命伝えて、5年間継続してもらえるよう頑張っています。

渡辺先生 クラブ活動はダンスのプロを育てているわけではなく、社会に出てから輝ける、あるいは周囲の人に必要とされる人材を育てたいと思っています。ですから、「あなたたちが本気だったら、私もいくらでも時間を費やすよ」と言っています。ダンスの技術よりも、うるさくしつけをしているので、卒業式のメッセージでも「生きる上で大切なことを学ばせてもらいました」と言う子が多いですね。柳本先生がおっしゃったように、一つのことに打ち込んだ力はすごいんですよ。OGが学校に来ては「中高でやったことが、今、就活で生かされています」などと言ってくれるので、今は辛くても、それが後に生きることは中学生もわかっているようです。教育は花開くまでに時間がかかるので、OGが話してくれたり、清々しく生きている姿を見せてくれたりすると説得力がありますよね。私が言葉で伝えるよりもわかりやすく、素直に受け入れられるようです。

司会 ちなみに、どんなしつけをされているのですか。

渡辺先生 おへそを向けて返事をしなさいとか。誰かにしてもらうのではなく、誰かにしてあげられる人になりましょうとか。クラスでも率先して人の嫌がることをやりなさいとか。先ほど森先生がおっしゃったようなことをやっているので、明日のミーティングでは自信をもって「他校もやっています」と言うつもりです(笑)

森先生 僕は自分がバスケットボールをやっていて「よかったな」と思う気持ちが一番の原動力ですね。バスケ部のパンフレットを作っているのですが、それには「バスケットボールをやって、毎日を少しずついいほうに変えていこう」というメッセージを載せています。好きなものに触れたり、やれたりすると毎日が楽しいじゃないですか。バスケットボールを通じて規律や上下関係、問題解決能力、正しい食事、目標を立てるには逆算してどうするか等々、さまざまなしつけをすることで、毎日少しずつよくなるとか、みんなで楽しい思いをしたとか、目標に近づけたとか、なんらかのよい変化が起こるはずなので、保護者の方には「大会で成績を残せるかどうかはわからない。でも成長はさせます」と伝えています。

 

成長が見てとれた時は、涙が出るほどうれしい

司会 先ほどからクラブ活動を通じて人間教育をされているというお話がたびたび出てきていますが、どんな成長が見られますか。

渡辺先生 一人ひとり成長が違うので、具体例を挙げるのは難しいのですが。6年間でここまで視野が広がるんだとか、気配りできるようになるんだとか、こんなことが言えるようになったんだというような驚きは毎年ありますね。「努力は絶対に裏切らない」と言いながら練習していますが、センターで踊れる子は限られていて、多くは群舞になってしまいます。作品によっては出られないこともあるので、それがおもしろくなくて中学で辞めてしまう子もいるのですが、入部当初、後ろのほうで踊っていた子が少しずつ力をつけてきて、高3になり「初めて前のほうで踊れた」と喜ぶ姿を見た時は、技術以上に心の成長がわかってうれしくなります。頑張れなかった子が、何かをきっかけにこつこつ頑張れるようになり、「先生、本当に努力は裏切らないんだね」と言ってくれたりすると、泣けますね。

柳本先生 成長は見えるんですよね。演技もその人の内面が伝わってくるんですよ。せりふじゃないんです。

渡辺先生 (ダンスと演劇は)すごくリンクするところがありますよね。心が育っていないとダメなんです。

柳本先生 そう。本当に気持ちの問題なんですよ。気持ちだけ。我々はそういうものに感動するんです。(作品を創り上げる上で)絶対はないので、「もっとよくなるはずだ」という思いで練習を重ねて、本番を迎え、集大成になるはずがうまくいかないことも多くて…。

渡辺先生 本当にそうです。去年もおととしも全国大会で入賞はできたのですが、実は納得がいかなかったんですね。やりきっていないまま本番を迎えてしまったから。賞はいただいたものの、私は怒って「今年はやり抜く、貫く」という目標を生徒に与えました。どう評価されるかではなく、自分たちが本当に納得のいく演技をするというのが一番の目標。私たちなりに表現したいことを表現できた時に湧いてくる「うれしい」という気持ちを味わってみたいのですが、なかなか達成できないですね。

司会 森先生はいかがですか。

森先生 技術的な成長でいえば、小学生の時にボールは触っていたけれど、大会にはあまり出ていなかった子が、中学で関東大会や全国大会で役割を果たした時でしょうか。そういう子は勉強も頑張っていて、去年のキャプテンは入学当初、真ん中あたりの成績だったのですが、入部してからはずっと一番でした。そういう姿を見ると人間的に成長したなと思いますが、学校生活の中ではもっと自主性やリーダーシップをとれるようになってほしいですね。中学から高校に上がる時に、学習面との両立に自信がなくて、クラブを続けない子もいます。それが残念で仕方ありません。

司会 高校との連携はあるのですか。

森先生 はい。練習相手をしてもらったり、一緒に合宿に行ったりしています。連携ができているので、引退した中3は迷うことなく高校の練習に参加してほしいのですが、中学の練習を手伝う子、目標が定まらないでふらふらしている子もいるのが現状です。

一同 (笑)

森先生 最近は期間を決めて、「(高校で継続するかどうかの)意思表示をしなさい」と言っています。

司会 バスケットボールプレーできる人数が少ないですから、一人ひとりに満足感を与えるのは大変ですよね。

森先生 そうですね。コートに立てるのは5人ですから。ただ、試合に出るだけがすべてではありませんから。応援の子にも、プレータイムの短い子にも、「チームの勝利のために、責任をもって自分の役割を全うしよう」と指導しています。一人ひとりに役割を持たせて、それを全うできた時、チームに勝利がもたらされるという考え方なので、やりがいはあると思うんですよ。

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高校で花開く。だから簡単に辞めるな

司会 中高一貫校には6年間、同じ学び舎で学べるよさがありますが、クラブ活動も同じなんですね。

柳本先生 3年間では、この子のことはわからなかっただろうなというは場面がとても多いですね。ですから中高通してやってくれてありがとうという思いも込めて「(中高の部活で培ったものは)絶対、役に立つから、それを信じて頑張れ」と、拳を握りしめて言っています。

渡辺先生 先生のおっしゃっていること、わかります。6年間見ていると、中学3年間のことは忘れてもいいと思えるくらい、高校3年間の成長が目覚ましいんです。「(先生は)こういうことを伝えたいために言っているんだ」と、意味がわかるようになるんですね。中学生は「はい」と言いますが、ただ言っているだけ。わかっているようでわかっていないんです。中学3年間では、消化しきれないまま終わってしまうというと大げさかもしれませんが、そのくらいもったいないこと。6年間続けることで、自分のことを誇れます。自分のいいところも悪いところも全部知っている仲間ができます。それから戻れる場所もできますよね。

柳本先生 そうですね。

渡辺先生 クラブに所属しなくても高校生活は楽しいかもしれませんが、私たちは辞めないかぎりそこにいるので、「先生、ただいま」って帰って来られる場所があるのは財産じゃないかなと思います。ですからぜひ6年間続けてほしいですね。もし、(入ったクラブが)合わなかったら、うまくリセットして、「今度こそ熱中できるクラブに入るぞ」という意気込みで活動場所を見つけて、次の3年間を頑張ってほしいです。

柳本先生 今の時代は楽しいものがあふれていますから。携帯ゲームやインターネットなどに逃げがちなんですよね。そうではなくて、中高生には人と人がぶつかりあったり、ぬくもりを感じたり…という経験を大切にしてほしいんですよね。たしかにぶつかり合うと心の生傷は絶えないですけれども、中高生にとって一番楽しいこと、やるべきことはそういうことではないかと思うんです。

渡辺先生 こういうクラブ活動は、大学では味わえないですからね。「ザ・青春」ですよね。

柳本先生 「ザ」がつきますね。

渡辺先生 クラブ活動は中高でしか味わえないと思うんです。うちにも「留学やボランティアをしたいから辞める」という子がいるのですが、そういう子には「クラブ活動は今しかできないのに」「もうできないのに」と、結構言ってしまいますね。

森先生 バスケットボール部に入ると、どうしても試合に出られる、出られないであったり、勝つことにこだわったりしがちなのですが、もう少し視野を広げて見ていただくと、違うと思うんですよね。競技を通して人間形成できたとか、生活態度がよくなったとか。ちょっと広げて見ていただくと、中高時代のクラブ活動がいかに大切かをわかっていただけるのではないかと思うんです。クラブ活動をしていると、必ず目標ができますし、みんなで協力し合ったり、生きる力につながったりする場面がたくさんあります。保護者にはそういうところをアピールしていかなければならないのかもしれません。大きな目で見ていただけるようになれば、ケガをしたから辞める、練習についていけないから辞めるという部員が、もう少し減るのではないかと思います。

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コミュニケーション力は中高のクラブ活動で磨こう

司会 先生方は、担任もされていると思いますが、勉強との両立で悩まれているご家庭は多いのでしょうか。

柳本先生 それはやはり多いのですが、「(クラブ活動も)大切なことですから」と粘り強く言い続けています。今日の「徳」の話などを応用させていただいて頑張りたいと思います。

渡辺先生 クラブ活動を辞めても成績は伸びないですからね。

柳本先生 ほとんど例はないですね。

渡辺先生 ないですよね。不思議なくらい。時間がないほうが集中できます。授業を受けるにしても「家では寝ちゃうからここでやらないと」と思えば、自然とシャキッとすると思うんです。人間は制限があったほうが、力を発揮できるような気がしますね。

柳本先生 実はなんでもいいと思うんですよ。クラブ活動でなくても、自分が好きだなと思えること、前向きになれることがあれば…。それが中高6年間を過ごす原動力になるのです。親御さんに言われて…というのは、きっかけにはなるかもしれませんが。どこかで自覚して、取り組み方を変えなければ6年間もたないと思うんですよ。ですから、何かをやってほしいです。

渡辺先生 うちは大学でダンスをやっている子ばかりではないのですが。OGによると「自分たちは中高時代にこんなことをして、こんな力がついた」と言える自信がみなぎっているらしいのです。

司会 胸を張って言えることがあるというのは財産ですよね。

渡辺先生 大学に入って、カフェでアルバイトを始めた子も「(中高時代に培った力は)すでに役立っている」と言っていました。「現役時代は、先生に『これは将来役に立つよ』と言われても、正直言ってわからなかった。でも、大学に入って、中高時代に培ったことがさまざまな面で発揮できている」と言ってくれると、やってきたことに間違いはなかったのかなと思います。

森先生 私は「コミュニケーションデザイン」という授業を担当しているのですが、企業が必要としているのはコミュニケーション力なんですね。それを裏付ける資料があっても、大学でコミュニケーション力を高める授業はあまりないんですよね。受験勉強でも学ばないので、子どものうちに力を培う必要があるんです。そういうことをクラブ活動で学べるのも、中高一貫校の魅力の一つではないでしょうか。

司会 そうですね。ぜひ、今日のお話を受験に役立てていただき、実りある中高6年間を過ごしていただきたいですね。

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