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2011年6月28日 (火)

[ いまを生きる思いを、それぞれの胸に抱いて…。]遅れてきた“スポーツの春”

3月11日の東日本大震災によって、各地で延期や中止を余儀なくされた各種のスポーツの大会や公式試合、発表会。それは、プロスポーツの世界だけではなく、中高生のスポーツでも同様だった。

そのため、例年ならばこの時期の土日や春休みの期間に、電車や駅でよく見られた、早朝から大会や練習試合などに向かう中高生の姿を見かけることが、今年の3月中はほとんどなかった。

春休みを利用して、集中的に練習や活動に取り組めるはずの時期だっただけに、この間、しばらくエネルギーを持て余した中高生も多かったことだろう。

それから二ヶ月以上が過ぎた現在、被災地の復旧・復興はまだまだ途上で、原発事故の事態も収束してはいない。それでも、被害の少なかった各地では、例年のような、「春(初夏)のスポーツのシーズン」を取り戻しつつある。

震災から間もなく、3月23日から開催された、高校野球の「春の選抜(第83回選抜高校野球)大会」では、東海大学付属相模高(神奈川)が、みごと11年ぶり2度目の優勝を果たした。この大会には、日本大学第三高(東京)、国学院大学久我山高(東京)、横浜高(神奈川)などの私立中高一貫校も出場。被災地から代表として出場した東北高(宮城)には多くの声援が寄せられ、健闘が注目された大会だった。

「私たちは16年前、阪神淡路大震災の年に生まれました。……人は、仲間に支えられることで、大きな困難を乗り越えることができると信じています。私たちに今できること それはこの大会を精いっぱい元気を出して戦うことです。がんばろう日本。生かされている命に感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います」という、創志学園・野山慎介主将による選手宣誓は、多くの人々に感動を与えた

関東エリアの中高のスポーツの多くでは、従来ならこの3月から5月にかけて、その後、6月~7月に行われる関東大会への出場権をかけた、都道府県予選が行われてきた。今年はそれも一時中断していたケースが多かったが、それらの種目の予選大会も、4月に入って再開された。

高校サッカーの関東大会予選では、東京では帝京高が準優勝し、第二代表として出場権を獲得。ほかにも、バレーボールやバスケットボールなどの球技をはじめ、各種のスポーツの関東大会予選が、4月から5月にかけて各地で行われている。

そうして再び、首都圏でも電車の車内や駅で、スポーツウェア姿の中高生の姿が再び見られるようになって、少しほっとした気持ちになったのは筆者だけだろうか。

春から初夏にかけては、やはり中高生のスポーツ活動が一年のなかでも盛んになる時期。まだ、日本全体が被災の傷跡を大きく残している大変な時期であることには変わりないが、せめてスポーツができる地域の中高生は、この二度とない10代のかけがいのない時期だからこそ、各自の好きな種目に打ち込んでほしいと思う。

一時期は節電・自粛のために開催を中断や延期にしていたプロスポーツの世界も、4月からは再スタート。プロ野球では東北楽天イーグルス、サッカーJリーグではベガルタ仙台という、ともに本拠地を宮城県(仙台市)に置く両チームが、被災地の人々とファンへの思いを胸に、スタートから善戦を見せてきた。

震災で3月から延期になり、開催地を東京からモスクワに移して4月24日から5月1日にかけて行われた、フィギュアスケートの世界選手権大会では、安藤美姫選手が女子シングルでみごと金メダルを獲得。日本人に勇気と感動を与えてくれた。

今年は少し遅れてきた「スポーツの春」。そこで日本人のアスリートの活躍が、被災地と日本の人々に勇気を与えてくれるのと同じように、同じ日本の中高生のスポーツに打ち込む若々しい姿が、明日への希望を感じさせてくれることを期待したい。

【初出:NettyLandかわら版2011年6月号】
(北 一成)

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▲2008年には駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で行われた高校陸上競技の関東大会

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▲2010年には町田市で行われた高校男子バレーボールの関東大会

2011年6月 2日 (木)

[多くのアスリートが動いた「いま、自分たちができること」] スポーツ界からの被災地への声援

例年であれば、プロ野球やサッカーのJリーグの開幕、高校野球の春の選抜甲子園大会など、春のスポーツのシーズン幕開けを待つ時期であった3月11日、予期せぬ激震が日本列島を襲った。

プロスポーツの世界にも、当然のことながら影響は少なくなかった。震災当日には、プロ野球やサッカーJリーグの練習試合など、多くのイベントが中止となった。

すでにJリーグでは、3月中に予定されていた試合はすべて中止と震災直後に決定。プロ野球のパ・リーグは開幕を4月12日に延期した(※)。

3月21日から東京で開催予定だった「世界フィギュアスケート選手権大会2011」は開催を中止。ほかにも、ゴルフやバレーボールをはじめ、多くのスポーツの大会が中止もしくは延期された。

しかし、公式大会が中止や延期となっても、スポーツ界や個々の選手が活動をストップしたわけではない。むしろ、こうした国家規模の大災害のもとで、自分と自分たちのチーム、各スポーツ界、ひいてはスポーツ界全体が、いま被災地とそこで過ごす人々のために「何ができるか」を必死で考え、急ぎ行動に移し始めた。

プロスポーツ選手のなかにも、東北地方の出身選手は多い。野球の東北楽天イーグルスや、サッカーのベガルタ仙台は、本拠地を宮城県仙台市に置くチームだ。

東北楽天イーグルスでは、田中将大選手をはじめ、多くの選手が、個々のブログやツイッターで励ましのメッセージを送り、被災地の方に少しでも役立てるようにと情報発信を続けている。

他のプロ球団でも、たとえば東北高校出身のダルビッシュ有選手(北海道日本ハムファイターズ)は、やはり自身のブログやツイッターで呼びかけることで、被災地の方や救助・救援にあたる人々の情報交換の場を形作っている。

陸上の為末大選手は、震災の翌日3月12日には、自身の公式ブログで「アスリートにできること」と題して、国内・海外のアスリートに向けて、いま自分たちができる被災地への支援を呼びかけた。同時に、今後も長くかかるであろう復旧・復興への歩みのなかで、プロスポーツ選手が、ひとつの希望となれるよう、本業の活動とトレーニングを続けることを願うメッセージを発信した。その後も彼は、世界中のアスリートに向けて、被災地と日本の人々への励ましのメッセージの発信と、被災地の救援に役立つ寄付の呼びかけ、さらにそうした活動の輪を広げたいというアスリートたちの願いを、各選手の関係するメディアで発信することを呼びかけ続けている。

Jリーグのサッカーチームでも、選手自身が供出した個々のユニフォームやスパイクなどをチャリティーとしてファンに販売し、その売り上げを被災地へ寄付したり、選手自身がホーム地の街頭での募金運動の先頭に立つなど、被災地支援の動きを始めている。

さらに、サッカーの欧米諸国のクラブや、野球のメジャーリーグなど、海外で活躍する日本人アスリートからも、遠く離れた地から、被災地への寄付や、励ましのメッセージが次々と寄せられている。

野球の松坂大輔選手や、サッカーの長友佑都選手、内田篤人選手などをはじめ、日本選手の多くは、震災で亡くなった方の冥福を祈り、喪章をして試合に臨んだり、試合後にはファンとマスコミに向けて、アンダーシャツや日の丸の旗に書き込んだ、日本と日本人へのメッセージをアピールし、支援と励ましの輪を広げる動きに役立とうとしている。

サッカーの欧州チャンピオンズ・リーグでは、対戦する両チームに日本人選手がいなくても、試合前に選手と会場のサポーターがともに祈り、横断幕に描かれた「JAPAN」への応援メッセージがフィールドに掲げられる場面もあった。

まだ震災から間もない時期(3月12日~18日)に、被災地の人々と日本人すべてに向けて、「いま、できること」に踏み切った多くのアスリートたち。

個々の素早い判断で、スポーツを通して「人とつながる」ことの力の大きさを見せてくれた彼らのアクションが、少しでも被災地の方々の力になることを祈りたい。

同時に、やがて被災地のライフラインが復旧し、被災した方々の心の傷跡が少しでも癒えたときには、それぞれのスポーツの試合や競技を通して、彼らアスリートの気迫あるプレーが、その後の被災者の方々と日本にとっての、希望や励ましになることを願いたい。

【初出:NettyLandかわら版2011年4・5月号】
(3月18日記。北 一成)

※その後、セ・リーグも同調し、開幕を同日に延期した

Tamesue

▲陸上の為末大選手のオフィシャルサイト「侍ハードラー」には、アスリートたちの活動が綴られている。

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