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2010年8月30日 (月)

世界の舞台で戦うために…。サッカーにも必要な論理的な言語力

6月11日から7月11日にかけて開催された、「サッカーワールドカップ2010南アフリカ大会」では、スペインとオランダのヨーロッパ勢同士の決勝を、延長戦のうえスペインが1対0で制し、初の優勝を飾った。

日本代表チームも、32の代表国が4チームずつ8グループに分けられたグループリーグEを2勝1敗(勝ち点6)で勝ち上がり、決勝トーナメントに進出した。

大会直前には「劣勢か?」とも言われた日本代表チームは、初戦でアフリカの強豪カメルーンを1対0で破ると、続く2戦目は、破れはしたものの、準優勝したオランダを1点に抑える善戦。そして第3戦のデンマーク戦では3対1の快勝で見事にグループリーグを突破。6月24日の夜には、本田圭佑選手、遠藤保仁選手と続いた2本のフリーキックと、ダメ押しの岡崎慎司選手のシュートによる3得点に、現地のみならず日本国内のサポーターも大いに沸いた。

2002年のワールドカップ日韓共催大会でも、日本はベスト16まで勝ち上がったが、今回はアウェーで初のベスト16進出。決勝トーナメントでは、グループリーグFを1位で抜けた南米の強豪・パラグアイに同点・延長の末のPK戦で敗れたものの、ほぼ互角といえる接戦を演じ、「日本サッカーが世界のトップに近づいた」と思わせる好試合を見せてくれた。

この大会の日本代表チームの選手のなかには、中学受験生にも親しみのある私立中高一貫校の出身選手が少なくなかった。

日本のディフェンスの要となって活躍したセンターバックの田中マルクス闘莉王選手は、渋谷教育学園幕張高(千葉)の出身。今回こそ出番は少なかったが、長く日本代表チームの不動の司令塔として活躍してきた中村俊輔選手は桐光学園高(神奈川)の出身であることは広く知られている。

ほかにも、今大会で世界のサッカー界から注目を集めた本田圭佑選手は星陵高(石川)の出身、長友佑都選手は東福岡高(福岡)出身、岡崎慎司選手は滝川第二高(兵庫)出身、阿部勇樹選手は東京学館浦安高(千葉)の出身だ。

こうした日本選手の活躍は、小学校時代にサッカーに親しんできた中学受験生にとっても励みになる。受験勉強のヤマ場といわれる夏休み直前の時期ではあったが、このワールドカップの開催期間は、(保護者の心配をよそに?)テレビで日本代表の奮戦に声援を贈った小学生も多いことだろう。

ところで今回は、そうした日本のサッカーが、「世界と互角に渡り合う」ために、とくに若年層の選手強化策のひとつとして書かれた新書を2冊ご紹介したい。

ひとつは、『史上最強バルセロナ世界最高の育成メソッド』(ジョアン・サルバンス著。小学館101新書)。

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『史上最強バルセロナ 世界最高の育成メソッド』(ジョアン・サルバンス著。小学館101新書)

今回のワールドカップで優勝したスペイン代表選手の多くをはじめ、世界最高のストライカーともいわれるアルゼンチンのリオネル・メッシなども育てた、名門クラブチーム「FCバルセロナ」のジュニア育成の仕組みやコンセプトが述べられている。

この「バルサ」の育成システムのもとで育った、体格的にも小柄で、決してフィジカルが強靱とは言い難い、チャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタなど、身長わずか170センチほどの選手が、今大会の鮮やかなスペイン優勝の立役者だったことを思うと、あらためて興味が沸いてくる。

もうひとつは、『「言語技術」が日本のサッカーを変える』(田嶋幸三著。光文社新書)。

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『「言語技術」が日本のサッカーを変える』(田嶋幸三著。光文社新書)

現在は日本サッカー協会(JFA)専務理事を務める著者が、日本代表の強化や若年層の育成に取り組んできたなかで見いだした、これから世界で戦うサッカーに必要なひとつの条件、それが「論理的な言語能力」だったという。

少年期のサッカー選手を一貫した寄宿舎体制で育成するために、2005年に福島の「Jヴィレッジ」を舞台に開校した「JFAアカデミー福島」では、サッカーそのものの技術指導だけではなく、そうした言語能力の育成のために、「言語技術」(三森ゆりか氏の主催する筑波言語技術教育研究所による)というプログラムを導入。選手のみならず、指導者研修でもそうした“言葉の力”を重視し、世界で通用する選手の育成をめざしてきたという。

技術を磨くことで外国人とのフィジカルの差を乗り越え、こうして論理的な表現力、高いコミュニケーション能力を身につけた若いサッカー選手が、これから次々と世界の舞台で活躍する様子を思い描くと、楽しみもさらに膨らむ。

そういえば、この「言語技術」のプログラムを授業にも導入しているのが、千葉の麗澤中高だ。

こうした話題でも、サッカーを楽しみ、日本のスポーツ選手や、私立中高一貫校の今後の成果に期待を寄せることができる。だからスポーツは面白い。

【初出:NettyLandかわら版8月号】
(北 一成)

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理想のパス・サッカーを追求し、練習に励む、かえつ有明中サッカー部

2010年8月 3日 (火)

私立中高一貫校の多くが掲げる目標に向けて… 私学の多くが関東大会で活躍。実践女子学園はソフトテニス団体で出場!

6月初旬の土曜日に、町田市立総合体育館で行われた、とある高校スポーツの関東大会を観戦する機会があった。

初夏のこの時期には例年、各種のスポーツで中学・高校ともに、関東大会が開催されている。インターハイ(全国高校総合体育大会宇)や、全国高校選手権大会などの高校スポーツのビッグイベントとは違い、新聞報道やテレビ放映されることはほとんどないが、この関東大会が意外に面白い。

それは、全国レベルの大会ではめったに見られない、いわばふつうの「中高一貫の私立進学校」が、予想以上に数多くこの関東大会に駒を進めて、それぞれに活躍を見せているからだ。

なかにはサッカーや硬式野球など、たとえ関東大会といえども、全国大会と同じように、各都道府県から1~2校しか出場できないという厳しい競技もある。しかし、それ以外の競技には、各都道府県から5~10数校が関東大会に出場できるというケースも多い。

たとえば先月号のこのコーナーでは、高校バレーボールの東京都からの今年の関東大会出場校をご紹介したが、そのなかには、中学受験生の家庭にもお馴染みの私立中高一貫校も名を連ねていた。

東京都以外の県からも、男子では、桐蔭学園(神奈川)、東海大相模(神奈川)、西武台(千葉)、埼玉栄(埼玉)など、女子では、東海大相模(神奈川)、横浜隼人(神奈川)、春日部共栄(埼玉)などが、今年の関東大会に駒を進めていて、各地の私立中高一貫校の男女高校バレーボール部が、大いに健闘していることが感じ取れた。

そういえば、6月初旬に実践女子学園を訪れた折に、校舎には、「祝 関東大会出場 高校ソフトテニス部」と描かれた垂れ幕がかけられていた。そして、その垂れ幕のかかった校舎を、練習帰りにデジカメで撮影しているソフトテニス部員らしい姿が…。その場にいた先生に聞いてみると、今年はソフトテニス部が関東大会出場という、快挙を成し遂げたという。

その場では、微笑ましい風景と感じただけで何気なく学校を後にしたのだが、よく考えてみると、彼女たちにとっては、「関東大会出場」という、その立派な戦績は、よほど嬉しかったに違いない。

実践女子学園は、高校での募集を行わない完全中高一貫校。しかも、ここ数年、グローバルスタディーズクラス(国際学級)の新設などをはじめ、着々と学校改革を重ねて、本格的な進学校に変貌しつつある注目の私学だ。そういうベクトルにある私立中高一貫校の運動部員が、その環境のもとでなお、こうした活躍を見せてくれたことが頼もしい。

ちなみに、5月2日(日)・3日(月・祝)に行われた、関東高等学校女子ソフトテニス選手権大会(団体)東京都予選の上位進出校は以下の通り。このうち、優勝した文化女子大附杉並をはじめ、国本女子、千代田女学園、実践女子学園の4校が、6月4日から茨城県水戸市で行われた高校女子ソフトテニスの関東大会に駒を進めた。

もちろん、スポーツは結果が全てではないし、勝ち負け以外にも大事なことがある。しかし、それぞれの部や選手たちが立てた目標は、できるかぎり達成してほしい。「できると信じて」努力を重ねることにこそ大きな意味がある。

そして、中高6年間、悔いのない活動をした後に、それぞれの進路目標に向けて、気持ちも新たに努力をすることで、そちらの希望もかなえてほしいと思う。

スポーツで鍛えた気力、体力、集中力は、大学受験でも大きな力になる。これはほとんどの私学の先生が一様に述べていることでもある。自らの目標とした関東大会への出場をかなえ、やがて大学受験に挑んでいく私学の生徒たちの健闘が楽しみだ。

【初出:NettyLandかわら版2010年7月号】
(北 一成)

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▲6月初旬に、実践女子学園の校舎に掲げられていた「祝 関東大会 高校ソフトテニス部」の垂れ幕。

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