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2008年9月30日 (火)

入試問題から学校を探る 社会の問題にみる光塩女子学院の教育理念

2008年春の現役合格者数は早稲田、慶応、上智が52名、GMARCHに80名、国立が16名、ここまでで148名、その他私立の四年制大学の合格を合わせると実に404名に上る。卒業生数が133名であることを考えると、その実績の素晴らしさには目を見張るものがある。

この背景にあるものは、所謂先取り授業や予備校なみの進学のための受験対策授業であろうか。そうではないことは同校の入試問題を見れば明らかである。

今回取り上げた問題は今春の第2回試験からのものだが、全編鉄道をテーマに構成されている。社会科の専門家でなく、鉄道に興味のない者から見ると、鉄道ひとつでこんなにも多くの問題が作れるものかと妙に感心させられる。しかし、少し考えてみれば、鉄道の発展とともに、地域、都市、国の発展があり、物流、文化の交流、技術の開発、経済の発達、様々な利権の発生等、鉄道の歴史と世の中の流れの相関は明らかだ。ここでも、地場産業から二酸化炭素の排出量、鉄道の短所、2000年前の日本の様子、16世紀の日本とヨーロッパの交流、世界地理、線路や蒸気機関の構造、外国為替、東京の路線図、満州事変等、実に多岐に渡った設問が作られている。そのすべてはここに掲載した900字程の文章から導かれているが、総数10ページ、21の設問すべてを掲載できないので、興味のある方は同校のサイトを訪問してみることをお勧めする。

P13

さて、広範な設問の中から問14の②を見てみよう。ここで取り上げられているのは鉄道唱歌だ。なんとなく見聞きした覚えがあり、メロディも浮かんではくるのだが、習った覚えもしっかりと歌った覚えもない。調べてみると1900年5月10日に第1集東海道篇が作られ、同年11月までに全5集、334番まで編まれたということだ。改めて歌詞を眺めてみると、鉄道の沿線に地理と歴史が編みこまれ、教材としての完成度の高さに感嘆する。

鉄道というひとつの素材から、これだけ話題を広げ、課題を掘り起こしていく姿勢は、きっとそのまま授業に反映されているに違いあるまい。様々な項目を覚えこまなければならない暗記科目と捉えられがちな社会科という科目において、生徒の興味、関心を掘り起こし、自ら学び進む姿勢を生徒の中に育んでいくために幾多の工夫がなされているのだろうということが、入試問題から垣間見られる。こうした生徒や教科への姿勢が光塩女子学院の冒頭の合格実績を生み出しているのだろう。

 

 

【初出:NettyLandかわら版9月号】
(藤崎 正彦)

19歳の銅メダル 北京オリンピック女子柔道で中村美里選手が第3位に!

平和の祭典といわれるオリンピック。今年の夏の北京オリンピックでは「世界記録ラッシュ」ともいわれたハイレベルな戦いのなかで、世界各国のトップアスリートが、期待どおりの熱戦を各競技で見せてくれた。

中学受験に関わる私たちには、水泳男子平泳ぎ100メートル、200メートルで圧倒的な強さで二連覇を達成し、400メートルメドレーリレーでも銅メダルを獲得した、本郷高(東京・豊島区)出身の北島康介選手の大活躍と同様に、女子柔道52キロ級で、渋谷教育学園渋谷高(東京・渋谷区)出身でまだ19歳の中村美里選手が銅メダルを手にしたことが嬉しかった

中村美里選手は、2003年に中学2年生にして全国中学校大会で優勝。その年のアジアジュニア選手権でも優勝し、将来を嘱望された。2005年、渋谷教育学園渋谷高校に入学した彼女は、講道館杯で優勝。同じ年の福岡国際女子柔道では、谷亮子以来の16歳での覇者となる快挙を達成。一躍「ポスト谷」の有力候補として注目を浴びた

しかしその後、国際大会、国内大会を含めて苦しい時期を過ごしてきた。

そして2007年の11月に52キロ級に変更。減量の苦しみから解放されたその年から、中村選手の快進撃が始まった。講道館杯、12月の嘉納杯東京国際と連勝。オリンピックの最終選考となる2008年4月の全日本選抜体重別選手権女子52キロ級でも優勝し、北京への代表に選出された。

北京オリンピックでは、2回戦、3回戦を突破。準決勝では惜しくもポイント差で敗れたが、3位決定戦では金京玉(韓国)に一本勝ち。みごと銅メダルを獲得して、平成生まれの日本人としては初のメダリストとなった。

それでも、試合後に悔しさを表情ににじませ、直後のインタビューでも「金メダル以外は同じ」と発言して、世界一をめざしてきた悔しさを隠そうとしなかった中村選手。しかし、表彰台に上る時には表情も和み、銅メダルを手に嬉しそうな笑みをみせてくれた。

その夜のテレビのインタビューでも、「試合が終わって、いま何をしたいですか?」というキャスターの問いに、「友だちと遊んだりしたい」と答えていたその笑顔は19歳という年相応の可愛らしいものだった。

今回の北京オリンピックでは全体に苦しい結果だった日本柔道。しかし、まだ19歳の中村選手が、次の大会への希望を感じさせてくれた。

この春、卒業したばかりの渋谷教育学園渋谷高の同級生や関係者も、中村選手の活躍に声援を送っていたことだろう。スポーツで世界の頂点をめざし、連戦で国際大会に挑んできた中村選手に、良い意味で刺激を受けてきた同級生や後輩も多いに違いない。

また、スポーツを通じて国際交流の架け橋となり、今夏の“平和の祭典”で、新鮮な感動を人々に与えてくれた彼女の活躍は、国際化教育に力を入れる渋谷教育学園渋谷の生徒や教員にとっても、大きな励みになるものだろう。

その中村美里選手は、まだ19歳。柔道関係者には「まだまだ伸びしろがある」と評される彼女だけに、次回ロンドン大会での活躍が楽しみだ。今回の銅メダル獲得を讃えるとともに、今後の活躍に声援を贈りたい。

【初出:NettyLandかわら版2008年9月号】
(北 一成)

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試合直後には金メダルを逃した悔しさを隠さなかったが、表彰式では笑顔を見せてくれた中村美里選手(写真はNHK総合TVオリンピック中継より)

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