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2008年6月15日 (日)

入試問題から学校を探る 理科の問題にみる渋谷教育学園幕張の教育理念

P9

『自調自考」の力を伸ばし、倫理観を正しく育て、国際人としての資質を養うことを教育目標に掲げる渋谷教育学園幕張。高度な国際教育や躍進を続ける大学進学実績もあり、千葉県内の私学のトップに君臨しているが、やはり「自らの手で調べ、自らの頭で考える」という基本目標を基盤にしているからこそ現在の同校があると言えるだろう。

 

本年の入試問題は大問5題構成であるが、全編「水」をテーマにし「湖」を素材にした他校に類を見ない非常に面白いつくりとなっている。

 

Ⅰは湖のでき方と断面図、Ⅱが季節ごとの水温の変化とそれが起こる理由に関しての考察、Ⅲが湖水にすむ生物と環境の関係、Ⅳが水溶液の性質、ⅤがⅠ〜Ⅳまでの内容を踏まえた上での総合的な正誤判断とひとつのテーマと素材でありながら、バラエティに富んだ出題となっている。

 

問題数は多くはないが、問題文が長くヴォリュームがある。さらに、単に知識を問う設問はまったくない。自分の知っていることを縦横無尽に使いこなし、「知恵」へと昇華させて課題へ取り組み、自らの力で打開していくことを徹底的に求めているのだ。まさに徹頭徹尾「自調自考」の姿勢が貫かれたつくりとなっているのである。だからといって、ただ高い壁を提示して頑張って登って来なさい、と突き放して高みの見物をしている訳では決してない。問題文がまるで科学エッセイのように書かれていて、興味深く読み進めることができる。そして読み進むうちに新たな知識がごく自然に与えられ、無理なく思考を展開することができるような仕掛けが施されているのだ。そこには、受験生が「自調自考」の力を発揮できるように、愛情にあふれた手が優しく添えられているようにさえ感じられる。

 

解き進めるごとに理科という科目の持つ楽しさや奥深さを感じられる、非常に良くつくり込まれた問題なので、是非全問に目を通してもらいたい。渋谷教育学園幕張の「自調自考」を基盤とした教育の実践のありようが想像できるのではないだろうか。

 

【初出:NettyLandかわら版6月号】
(藤崎 正彦)

スポーツを通して培うコミュニケーションの力

言語の違いや国境を越えて通じ合う互いの意思

平和の祭典といわれるオリンピック。この2008年には、第29回となる夏季オリンピックが8月に北京で開催される。この時期、世界の各地で出場権獲得をかけた大会が行われ、日本国内でも各種目の出場選手の最終選考が行われている。

こうした各国代表となるようなトップアスリートの競技を見ても、あるいは中学・高校生の競技を見ても、共通して感じられるのは、強い選手、強いチームほど、コミュニケーションの力に優れているということだ。

たとえば、5月17日から25日まで日本で行われた、2008年北京オリンピックのバレーボール最終予選女子大会では、「柳本ジャパン」と呼ばれる日本代表チームの奮戦をテレビで見た方も多いかと思う。日本チームの武器は、世界最小・最強セッターと称えられる竹下佳江選手の絶妙のトスワークによって実現する速攻&コンビネーションのバレーだが、これも堅実な守備力と、アタッカーのスピードとセンスがあって初めて実現するものだ。そして何よりも、セッターとアタッカーの確実な意思の疎通がないかぎり、高度なコンビネーションは実現しない。

セッター竹下選手と、こちらもおそらく世界最小で最速のエースアタッカーである高橋みゆき選手とのコンビによる平行トスからの攻撃や、時間差攻撃をご覧になった方は、そのスピードに感心したのではないかと思う。しかし、こうしたコンビネーションも、ほんの少しリズムや約束事の歯車が狂えば、かえってミスにつながる危険さえある微妙なプレーだ。

それを日本女子バレーチームは、激しい練習のなかで確実にコミュニケーションを図りながら、この見事なプレーを実現させているのだろう。

こうしたコンビネーションは、サッカーや野球、バスケットなどのフォーメーションやセットプレーでも同様に、高度な練習の積み重ねと選手間のコミュニケーションによって支えられている。柔道や陸上などの個人競技であっても、選手とコーチ、監督、スタッフなどとのコミュニケーションによって支えられている部分は、きわめて大きい。これは、中高生のプレーでも同じことがいえるだろう。

見方を変えれば、スポーツで一歩でも高みをめざしてレベルアップするためには、あらゆる場面でコミュニケーションの力が重要になるし、また、そのための努力や意識が、個々のコミュニケーション力を高める要因となっているということができる。そしてその力は、全力で戦った相手とのコミュニケーションにも生きてくる。

オリンピックとは、スポーツを通じて、国境や言語、文化の違いを超えて、互いの理解を深めることで、戦争のない平和な世界を築いていくことを目的として実現し、今日まで継続されてきたもの。その願いは必ずしも完全に実現したとはいえないかもしれないが、未来を担う世代が、それを実現してくれるかもしれないという願いは、世界の多くの国々に共通のことだろう。

スポーツを通してのコミュニケーションが、その理想に近づく掛け橋になってくれればと思う。

【初出:NettyLandかわら版 2008年6月号】
(北 一成)

Volleyball01

女子大会が5月17日から25日まで、男子大会が5月31日から6月8日まで、日本で開催された「2008北京オリンピック バレーボール世界最終予選」のWebサイト。果たして日本代表チームは北京オリンピック出場権をつかめるか?

2008年6月 2日 (月)

かえつ有明サッカー部が都大会決勝に進出! 2006年の共学化で誕生したサッカー部が創部3年目で関東大会へ

共学校化は、ここ数年にわたる私立中高の学校改革のトレンドでもある。そのなかで、2006(平成18)年の校地移転とともに、女子校から共学校への転身を果たしたのが、かえつ有明中・高(江東区)だ。同校はまた、近年活気づく江東区の臨海副都心エリアに生まれたニュータイプの私立中高一貫校として注目を集め、今春の中学入試でも難化が目立った私学である。

その、かえつ有明に、共学化と同時に誕生した高校男子サッカー部が、創部3年目にして、平成20年度関東高校サッカー大会の東京都予選で準決勝まで進出。4月20日(日)に行われた準決勝では、強豪・国学院久我山との1対1(4—2)PK戦という激戦を制して、みごと決勝への進出を果たし、関東大会本戦への出場も決めた。

5月3日(土)に駒沢第二球技場で行われる決勝の相手は駿台学園。やはり私立の中高一貫校であり、サッカーでもここ数年で急速に力をつけてきた気鋭のチームである。また、この東京都大会でベスト4まで勝ち上がったのは、国学院久我山と暁星だ。帝京、成立学園、修徳、関東第一など全国レベルの強豪校をがベスト8〜16にひしめくなかで、私立中高一貫の進学校が大健闘を見せている。

かえつ有明は、2006年春の共学化から、元Jリーガーの中込正行先生の指導のもと強化クラブとしてサッカーにも力を入れてきた。新しい校地に映える鮮やかなグリーンの人工芝のグラウンドで、練習に励んできた。その成果として早くも関東大会の出場権を得て全国大会を狙えるところまで力をつけた。これは新生・かえつ有明の生徒にとっても大きな励みだろう。

ところで、東京では2005年から、「東京をユースサッカー王国に!」というコンセプトのもとに、東京都のユースチームによる「TFATリーグU-18」というリーグ戦が開催されてきた。約5ヶ月を戦い抜くこの新リーグは、東京都の高校とクラブチームの選手たちにとって大きな励みとなっている。2008年度も4月1日から開幕。参加チームの選手たちが、ほぼ毎週、各地で熱戦を繰り広げている。

前年度実績によってT1(12チーム)、T2(8チーム×2ブロック)、T3(7チーム×2ブロック)に分けられる同リーグには、私立中高一貫校も数多く参加。ちなみに今年度のT1リーグには、帝京、国学院久我山、暁星、修徳、国士舘、実践学園、T2リーグAブロックには東海大学菅生、早稲田実業、東海大学付属高輪台、同Bブロックには駿台学園、T3リーグAブロックには城北、桐朋、足立学園、私立武蔵、かえつ有明、同Bブロックには創価、東京農大第一、本郷、東京成徳大学などがエントリーしている。今年1月の全国高校サッカー選手権大会ではベスト8まで進出して話題をまいた都立・三鷹はT1リーグに在籍、2010年には同校も公立中高一貫校となる。T2リーグの中央大学附属も、やはり2010年に中学開校予定だ。

東京都の高校サッカーにおける中高一貫校の活躍が、今後ますます楽しみになってきた。

【初出:NettyLandかわら版 2008年5月号】
(北 一成)
Tleague Tokyosoccor

写真は、「TFA TリーグU−18」と「東京都サッカー協会」のWebサイト。東京の高校サッカーの熱戦と私立中高の活躍は、ここに詳しく紹介されている。

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